① 削孔(さっこう)

削孔について

細長い鉄棒(ロッド)の先端に専用の器具(ビット)を取り付け、打撃と回転を加えながら深さ1〜2mほどの穴を80〜100箇所あけます。
この時、トンネルが崩れないように、山の強度を考えながら穴の深さや本数を決めています。
山岳トンネル工事では、工期の短縮と、余計な穴を増やさないようにするために、細かな計画を立てる必要があります。
そして計画通りに穴を掘る正確な技術が求められます。

よく使用される機材・資材

  • ■ドリルジャンボ

    さく岩機の一種。岩盤に穴を開け(せん孔)、火薬を入れ、爆破して岩を砕く自走式重機。

  • ■ロッド

    ドリルジャンボに取り付ける3〜4mほどの細長い鉄棒。

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  • ■ビット

    ロッドの先端に取り付ける器具。

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② 装薬(そうやく)

装薬について

ドリルジャンボであけた穴に爆薬を詰め込む作業を装薬(そうやく)といいます。爆薬の種類により、細長い棒(込め棒)などを用いて所定の位置まで押し込み、その後粘土状の詰め物(あんこ)で穴を完全に塞ぎます。
ジャンボに搭載されているバスケットに乗り、キューレンで穴を掃除した後、込め棒を使い、穴の中に爆薬を入れていきます。
かつては人力によって行われていましたが、危険を伴う作業でした。そのため最近では、遠方から機械を操作して、爆薬を充填する方法も開発されています。

よく使用される機材・資材

  • ■ローディングパイプ

    荒孔・出水孔の時、装薬孔にパイプを挿入し、後に爆薬・込物をスムーズに入れる装填器具。

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  • ■込棒

    木製の丸棒。爆薬・込物を丸棒で装薬孔に入れるのに使用。

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  • ■アンコ

    装薬孔に爆薬・込物をつめ、装薬孔を密閉する商品。

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③ 発破(はっぱ)

発破について

発破とはダイナマイト等の爆薬を用いて岩盤を破砕することを指します。
トンネル掘削、炭鉱、鉱山の採掘、あるいは坑外のさまざまな作業現場において広く行われています。
ドリルジャンボであけた穴に爆薬を装填し、雷管によって起爆させるのが普通であり、岩石トンネル工事においては工事の重要な作業工程です。
爆破作業は、爆薬の取り扱いが正しく、施工法が適切であれば、土木施工上非常に能率的な作業であると同時に、方法を誤れば人命に危害を及ぼす危険な作業でもあります。
また、対象となる岩石は不均一なものであるうえに、場所によって条件を異なるため、爆薬の選定、使用量、使用法には十分注意を払う必要があります。

よく使用される機材・資材

  • ■発破機

    電気発破に使用される点火装置。

  • ■防爆シート

    発破及び破砕作業時の飛石防止。発破現場の機材・器物の保護。発破作業現場の安全確保。

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④ ずり処理(ずりしょり)

ずり処理について

発破によってできた小さな岩を「ズリ」と呼びます。
これを外に運び出す作業を、「ズリ出し」といいます。
ホイールローダーでかき出して、ダンプトラックで運び出す方法が主流です。
連続ベルトコンベア、トロッコなどが使われることもあります。

よく使用される機材・資材

  • ■油圧ショベル
  • ■ホイールローダ
  • ■ダンプトラック

⑤ コンクリート吹付け

コンクリート吹付け

掘ったトンネルの壁を強化するために、コンクリートを5~15cmの厚さに吹き付けます。
コンクリートミキサー車で、コンクリートをトンネル内に運び込み、吹付けロボットを使って吹き付けます。
圧縮空気や機械力によって吹付けられたコンクリートをいい、トンネルでは多くの場合、支保工として用いられる。吹付け工法としては、セメントと骨材をドライミックスしてノズルまで圧送し、その先端で水と合流させる乾式工法と、全材料をミキサでウェットミックスしたのち、ノズルまで送って吐き出させる湿式工法とがある。
また、ノズルの根元で材料と水を合流させるものを半湿式工法という。
吹付けコンクリートは、型枠なしで地山の凹凸に密着でき、任意の吹付け厚に施工できる特徴をもっている。
その効果は、開放された掘削面にただちに施工することによって、地山と吹付けコンクリー卜の間にせん断抵抗を与え、緩みや風化を防止する。吹付け工は金網、ロックボルト、鋼アーチ支保工等と併用することによって、いっそう効果をあげることができる。
なお、湧水がある場合は、吹付けコンクリー卜の付着性が悪くなるので、急結剤を増量したり、水の切回しを行って対処している。

⑥ 支保工(しほこう)設置

支保工(しほこう)設置

支保工とは掘削から覆工完了までの間、地山からの荷重に十分対抗し、地山の崩壊、肌落ち等を防止して、所定の掘削断面を維持し、かつ能率的に坑内作業が行われるようトンネル内に設ける地山支持構造物である。
トンネル掘削に伴い支保工に作用する荷重は、掘削後の時聞の経過に伴って増大することが多いので掘削後すみやかに施工できること、また施工が容易で能率的な坑内作業ができるものでなければならない。
支保工の種類としては、鋼アーチ支保工、木製支保工、ロックボルト、吹付けコンクリート等がある。最近、NATMのようにロックポルト、吹付けコンクリート、鋼アーチ支保工等を適宜併用した支持構造物も用いられている。

⑦ コンクリート吹付け

コンクリート吹付け

厚さ10cm~25cm程度のコンクリートを吹付け、トンネルの壁を補強します。

⑧ ロックボルト設置

削孔について

トンネル掘削後、早急に岩盤を穿孔して、この中にポルトを挿入し、ナット締め、接着などによってトンネルの支保工として用いるボルトをいう。
ロックボルトは、地山自身のもっている耐荷力を最大限に利用して地山を支持するところに特徴があり、吊下げ効果、はり形成効果、補強効果等の作用効果があると考えられる。
一般にロックボルトは、打設後、適当な力で締め付ける必要があり、また吹付けコンクリートと併用することよって、いっそう効果をあげることができる。
ロックボルトはアンカー形式により、ウェッジ型、エクスパンション型、接着型に大別できる。
ロックボルトの起源は、1930年頃のアメリカの鉱山で初めて使用されたといわれ、ヨーロッパでは1950年頃から研究が始まり、特にNATMとして研究成果の判明とともに、急速に使用が増大している。

⑨ 防水工(ぼうすいこう)

防水工(ぼうすいこう)

トンネル内への漏水を防ぐために防水シートを貼り,半円筒形の型枠(セントル)を使ってコンクリートの壁を仕上げます。
山岳トンネル工法では、トンネル内への漏水を防止するために適切な防水工が施されており、工場製品で品質のばらつきが少なく、施工が簡単である防水シートが多用されているのが現状である。本報告では、覆工からの漏水の原因の一つと考えられる防水シートの溶着不良対策として、工場により溶着を行った防水シートの開発を行った。本防水シートの特徴としては、工場にて溶着することにより、防水シートの品質向上を図ることが可能となることに加え、現場での溶着作業を低減することが可能となることが挙げられる。本報告では、実現場での施工に先立ち実施した試験ヤードにて行った防水シートの展張試験について報告するものである。

⑩ コンクリート覆工(ふっこう)

コンクリート覆工(ふっこう)

防水工とコンクリートの打込みを行う工程です。地中から浸み出す地下水などがトンネル内部に漏れてこないように、塩ビシートなどを取り付ける作業です。専用の移動足場を使用します。コンクリートの打込み作業には、トンネル用の型枠を使用します。この型枠を、「セントル」と呼んでいます。一般的には、長さ(1区間)が10.5mのセントルが使用されます。トンネル内部の全体(1区間分)を全断面移動しながら型枠を設置し、コンクリートを打ち込みます。