① 土を削る

カッターフェイスを回転させ、カッタービットと呼ばれる硬い金属部分で岩盤や玉石を細かく砕きながら、地盤を削っていきます。カッターフェイスを全力回転させると、約500のカッタービットが固い地盤を削りとります。左右両方向に回転可能なカッターの場合、1回転約2分の速さで回転します。シールドの前面にはカッターフェイスという部分があり何百というカッターが取り付けられています。シールドはカッターフェイスを高速回転させながらシールドジャッキでゆっくりと推し進めていきます。そうすることで少しずつ固い地盤を削ります。

② 土を運び出す

削られた土はカッターフェイスの開口部から入り、スクリューコンベアで後方のベルトコンベアに運ばれ、トンネルの外に出されます。削りとられた土は、スクリューコンベアでベルトコンベアに載せられトンネルの外に運び出されます。

③ 前進する

掘削しながらシールド機は前進します。エレクターで組み立てたセグメントをシールドジャッキに押し付け、ジャッキが伸びることにより前に進みます。シールドマシンで掘削を続けながら前進していきます。シールドジャッキ50本を組み立てたセグメントに押し付け、ジャッキを伸ばすことで前進します。

④ トンネルを組み立てる

次に伸びていたシールドジャッキを戻し、再びエレクターでセグメントを組み立て、トンネル壁を造っていきます。シールド掘進機は、分割して工事現場に搬入された後、大型クレーンによって立坑下に降ろされ、再度組み立てられます。多様で複雑な地盤を持つ日本では、「泥水式」「土圧式」「泥土圧式」などの様々なシールド工法が開発されています。シールドマシンの前進後、トンネルの壁を作るため、エレクターが9分割されているセグメントを組み立てていきます。シールドは岩盤を掘りながら同時にトンネルの壁を組み立てていく機能を持っています。シールドが前進した後、分割された「セグメント」という部品を「エレクター」と呼ばれる部分で組み立てて壁を形成していきます。これらの「土を掘る」「土を運び出す」「トンネルの壁を組み立てる」という一連の作業を繰り返しながらトンネルが完成していくのです。トンネルを掘り終えた後、シールドは解体されて地上に搬出されます。

⑤ コンクリート打設

トンネルを掘り終えたら、シールド掘進機は解体し、外に出されます。最後にトンネル内部をコンクリートで打設し、仕上げます。近年、シールド工法で造られるトンネルは、「大断面化」「長距離化」「大深度化」などの技術革新が進んでいます。トンネルが掘り終わった際には、シールドマシンは解体され搬出されます。この後、道路を支えるため、コンクリートで床版を作り舗装工事を行います。これにより、車が走っても壊れない強度になります。そして、照明や換気設備といったものを設置したらトンネルが完成します。最後に、立杭を埋め戻して工事前の環境に戻せば工事が終了です。最後に床面をコンクリートで舗装します。仕上げに換気設備、照明設備などを作ってトンネルの完成です。